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AR戦略事例「ホリデーシーズンのコカ・コーラに命を吹き込む」

  • Tactic 没入型の技術とデザインにおいて最も革新的な企業の 1 つで、AR とリアルタイム体験を専門としています。彼らは「手のひらのブランド」AR 体験というまったく新しいマーケティングカテゴリの先駆けで、2017 年後半に Treasury Wine Estates の 19 Crimes の AR アプリケーションを誕生させた後、Jack Daniel’s AR アプリケーション、その他多くを手掛けました。



    今回、Tactic は、コカ・コーラ社初の大規模な AR 活用をホリデーシーズン丁度のタイミングで始めました。

    • 今年は、コカ・コーラのホリデー用の缶とボトルは、そこから直接飛び出すユニークな AR 体験を目玉とし、インタラクティブなストーリーテリングとゲームでアニメーション化されたホリデーシーンを見せてくれます。

    • 消費者が、コカ・コーラのスマートフォンアプリを使ってホリデー用の缶やボトルのラベルをスキャンすると、コカ・コーラのキャラクター、ポーラーベア家族のホリデーをリアルタイムでインタラクティブな AR で体験できます。

    • さまざまなパッケージオプションによって、雪に覆われた氷の滑り台や雪合戦、ホリデーライトショーミュージカルまで、さまざまなポーラーベアのインタラクティブな体験ができます。2 つの缶を同時にスキャンすると、ポーラーベアの家族が一緒になり、ガラス製の コカ・コーラボトルを使用して「ジングルベル」の特別演奏を行います。


    Tactic の AR 体験はすべて、Unity エンジンと Tactic 独自のキャラクターデザイン、アニメーションツール、専門知識を結集して作成されています。最近、Tactic の VFX に長年携わってきた、社長兼 ECD の Peter Oberdorfer 氏に会い、コカ・コーラのプロジェクトと、Unity を使ってブランドパッケージに命を吹き込む素晴らしい仕事について話を聞きました。

    Tactic は、Treasury Wine Estates の Living Wine Labels アプリで大ヒットしました。初めて見たとき、その体験がどれほど斬新だったかを覚えています。ワインのボトルにスマートフォンを向けると、ラベルがアニメーションとサウンドで動き出します。正直なところ、私はそれが現在のような形に発展するとは想像していませんでした。しかし今では、至る所で 19 Crimes や他の Treasury Wine Estates のブランドが目に入ります。そして私も知っているように、AR 化された製品ラベルは大ヒットです。

    Tactic のこれまでの道のりと、顧客の成功をどのように実現してきたかについてお話しいただけますか。

    私たちは実際、最初に 19 Crimes の Treasury Wine Estates、およびその代理店である JWT SF と VR 体験の作成について話し合いをすることから始めました。私たちのチームがパッケージを確認したところ、19 Crimes のボトルから直接、AR 体験を発生させるとうまくいくと思いました。

    最初のテストから、各ボトルがそれぞれのストーリーを持ち、各ボトルのキャラクターのストーリーが相互に関連するマルチ製品アプリケーションが生まれました。このアプリケーションはヒットし、最初の年に数十万人のユーザーを獲得し始めました。そこで、私たちは Treasury のブランドポートフォリオに機能や他のブランドを追加し、モジュール機能を備えたポートフォリオプラットフォームに改良しました。AR 体験と機能のホストは何百万回もダウンロードされ更新されています。

    それをきっかけに、他のブランドグループが独自の AR ストーリーに興味を持ったため、私たちは、コカ・コーラ、Jack Daniel’s、Procter & Gamble など、他の多くのブランドに対して Treasury Wine Estates と同様の開発を行いました。これは、さまざまなブランドや消費財に対応できるという優れたユースケースだと考えています。私たちのチームは、この分野でコンテンツと技術の両方を活用する能力に長けており、その過程で絶えずプロセスを改善しています。

     

    次に、コカ・コーラのプロジェクトについてうかがいます。Tactic は AR を使用して、世界で最もよく知られた象徴的キャラクターで、ブランドの知的財産の 1 つであるコカ・コーラのポーラーベアファミリーを、物理的な製品とインタラクションして初めて体験できるアニメーション化されたインタラクティブコンテンツとして現実世界に出現させました。それは、とても幻想的で楽しい体験です。プロジェクトの概要 – 例えば、どうしてそれが生まれたのか、コカ・コーラ社は何を達成しようとしたのか、プロジェクトの注目すべき機能や特徴は何か、どのような課題に直面し、どのように実現させたのか – を説明いただけますか。

    初めは、他のブランド向けに作成した AR 体験を見たコカ・コーラ社のパッケージチームから連絡がありました。 これを皮切りに、コカ・コーラ社が将来どのように AR を製品に活用できるかについて会話が広がり、そこからこのキャンペーンに取り組みました。私たちはブランドチームと協力して、コカ・コーラのポーラーベアのシナリオを作りました。そこで、クマとの雪合戦など Unity で作ったゲームのような体験と、インタラクティブな 北極の 3D ライトショーやコンサート、複数の缶を使った AR 体験などを一体化させました。

    Unity を使用することによって、パッケージベースでアクセスしやすく、そして楽しい、クマを使ったさまざまな AR シナリオを作成できました。ユーザーは、アプリを開いてカメラを製品に向け、さまざまな AR 体験にアクセスして、ソーシャルメディアで共有したり、お得なお知らせにサインアップしたり、ボタンやリンクなどを通してさまざまな企画に参加できます。

    私たちは、Unity の既存のアプリケーションプラットフォームにフロントエンドの AR 体験を統合するという課題に遭遇しました。それに対して、Unity のライブラリを使って対処しました。私たちは Unity のアプリケーションチームと協力して、Unity ライブラリを、既存のアプリケーションと共にフットプリントを小さく維持しつつ、提供するさまざまな AR 体験を含めることができる小さなコンテナーに最適化しました。この AR 体験は、コカ・コーラとコカ・コーラ ゼロのホリデーシーズンをテーマにしたポーラーベアの缶とボトルで 11 月上旬に開始されて以来絶賛され、AR 体験者数は増え続けています。



    Tactic は Unity で AR 体験を開発しています。Unity を選んだ理由と、コカ・コーラのプロジェクトで特に使用されている機能をいくつか詳しく教えていただけますか。
    Unity は、私たちが作成しているようなスマートフォンを通した AR 体験を作成するのに最適なツールセットです。Unity によってキャラクターや世界に展開する深い、ストーリー主導型の AR をカスタマイズし、ゲームやインタラクションを加えることができます。

    アーティストが使いやすいツールセットで Unity を使用して、すばやくプロトタイプを作成し、繰り返すことができます。一旦コンセプトを取りまとめたら、スケジュールを短縮して作業を進め、完成度の高い製品を開発できます。これは、期限を重視するクライアントにとって非常に便利です。

    Unity を使うと、アプリケーションに素早く機能を追加することもできます。年齢に応じた閲覧制限の設定、安全なログイン、GPS/ジオフェンシング、タイムラインベースの映画的作品、Mecanim を使用したスクリプト化、ゲーム化されたキャラクター作品、外観をカスタマイズするシェーダーグラフなど、これらすべてが AR をより輝かせるために必要です。

    『ハッピーフィート』や映画シリーズ『マトリックス』などの長編映画で以前得た経験から、Unity のポストプロセスパイプラインを使用すると出力にフルカラーセッションさえも可能なことが、素晴らしいと思いました。これは、コカ・コーラのホリデー用に作成した北極圏の風景のように、AR 化した見た目を調整するための秘密兵器です。さらに、私たちは Unity をライブラリとして利用し、これらすべてを既存アプリケーションに取り込むことさえできました。2019.3b バージョンでは、それをさらに簡単に行うことができました。

    素晴らしいです。このプロジェクトでは、Unity を使って既成概念の枠を超えたようですね。プロジェクトはどうでしたか? キャンペーンの開始、キャンペーンの期間、その成果の評価についてうかがえますか。

    コカ・コーラのキャンペーンの数値の詳細を共有することはできませんが、概して言えば大成功だったと言えます。思い切って AR を取り入れたコカ・コーラのようなブランドに、大きなチャンスがあると考えます。私たちが作ったアプリケーションの示した指標は、これが顧客をパッケージに引きつけ、楽しい方法でブランドストーリーを店頭の商品に結び付ける優れた方法であることを証明しています。

    Living Wine Labels のように、しばらく前から存在していたアプリケーションの中には、現在までに、数十万人のアクティブユーザーがおり、400 万回以上もインストールされたものがあります。さまざまなカテゴリのブランドが含まれるようになり、増加の一途です。スマートフォンのカメラが私たちの生活の重要な一部であるように、AR は次第に統合されたデジタル戦略の一部に組み込まれ、欠かせないものになっています。

    最後の質問です。この流れはどこに向かっているのか、なぜ、コカ・コーラ、Jack Daniels などのブランドが AR のような没入型技術を取り入れると考えますか、そして、それは今後、何を意味するのでしょうか。

    私たちは、日常の製品がストーリーを語り、インタラクティブな体験を提供できるというアイデアに大きな可能性を見出しています。スマートフォンは至る所にあり、日常の静的なパッケージ商品に生命を与えることで、これまで不可能だった方法でブランドが顧客とつながる機会を得られると考えます。没入型の技術によって、どのように消費者がブランドや製品に対して興味を持つかについての貴重なデータのやり取りが可能になります。それを通して、リアルタイムかつ直接的でパーソナライズされた新鮮なコンテンツのチャンネルと消費者を結びつけることができます。

    Tactic は今後数年でこれが新しい標準になると考えており、顧客を引き付けるために、ブランドはますます「カメラ戦略」を使う必要があると考えています。スマートフォンのゲーミフィケーションとリアルタイム性がその核となることを考えると、Unity のツールセットもこの戦略の主要プレイヤーということになります。

    これらはすべて、オーダーメイドのアプリストア環境からウェブに移行されるため、ウェブベースの AR が増えています。ウェブベースの AR は、スタンドアロンアプリケーション内で実行できるあらゆるものに匹敵します。Tactic は、やがて、ウェブ上の AR サポートが可能になると考えられる Unity の Project Tiny のような技術に大変興味を持っています。私たちは、ほんの少し開拓し始めたばかりの独創的なストーリーテリングに大きな可能性があると信じています。
    >> UnityでAR開発についてもっと知りたい方は「初めてのVR/AR開発をUnityで」をご覧ください。

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