目次
1)なじみのある操作性(特に Unity のアニメーションツールを使っている方)
タイムラインは、ユーザーが直感的なフレームベースの環境でスピーディにアセットを組み立てられるように設計されています。Unity のドラッグアンドドロップ操作が採用されていて、ユーザーはゲームオブジェクトを直接タイムラインにドラッグすれば、簡単にさまざまなタイプのトラックをバインドできます。
オーディオクリップやアニメーションクリップなどのアセットも、タイムライントラックにドラッグしてその場で視覚的に組み立てることができます。新しいアニメーションは「Animation」ウィンドウと同じ操作でコンテキストに従ってキーフレーム化できます。クリップはその後、シーケンスが「ちょうど良い」感じになるまでトリミング、移動、スライスできます。
新たに組み立てたタイムラインをスクラビングできるので、個々の要素が互いにどのように影響し合うのかを視覚的に確認して、その場で必要な変更を加えることができます。
2)豊かな拡張性
タイムラインは Playable API(アニメーションと同じシステム)を基にして構築されており、Cinemachine 統合も含まれています。Cinemachine はプロフェッショナルなカメラツール機能を実現するモジュールを集めたもので、C# で記述されています。Cinemachine を使えば、皆さんのプロジェクトにも AAA クラスタイトル水準のカメラコントロールを取り入れることができます。
タイムラインは Playable API を基盤にしているので自由に拡張、カスタマイズできます。また、Playable API をカスタム化しやすくするため、以下のようないくつかの要素も追加しました。
- Script Playable(カスタムアニメーションをプレイアブルにするために使われます)。これらの Playable は C# で書かれているため、グラフの評価中などに独自タイプの Playable が必要になったら C# で作成できます。
- Playable アセット:シリアライズ可能なオブジェクトで、グラフに Playable を挿入できます。実はタイムラインのベースになっているコア機能が Playable アセットです。タイムラインアセット自体が Playable アセットであり、ツリーを生成するアセットなのです。また、トラックとクリップも Playable アセットであり、これらが一体となってより大きなツリーを構築します。
実は、Cinemachine Timeline 統合は、同じ Playable API を使ったユーザースクリプトとして構築されています。
3)優れた効率性
タイムラインは Playable Graph を生成するので、パフォーマンスを犠牲にすることなく逆再生できます。

タイムラインはネイティブなシステムと同じくらい効率よくアニメーション、オーディオ、スクリプトを再生するので、ゲーム全体でタイムラインを様々な方法で利用できます。ゲームプレイからカットシーンにスムーズに遷移したり、複雑なビジュアル効果を作成したり、アンビエントシーケンスを作成したり、Cinemachine と組み合わせて映画品質のカメラワークを創出したりできます。
4)上級者向けのチュートリアル

この Unite Tokyo で行われたセッションでは、リアルタイムストラテジーゲーム用に機能拡張を行ったり、弾幕系シューティングのゲームデザインツールとして活用させたりといった、カットシーンのみに留まらない使用例をいくつかご紹介していきます。
こちらのブログ記事では、Unity エバンジェリスト Ciro Continisio が、タイムラインを使ったダイアログの制御方法、分岐のサポート方法、ゲームの AI システムとの接続方法について説明しています。
別の詳しいブログ記事では、Ciro がタイムラインのためのクリエイティブなスクリプティングについて説明しています。タイムラインを活用してゲームプレイとストーリーテリングを融合させ、コンテンツを次のレベルへ高める方法を学ぶことができます。