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Unity Enterpriseとは

Unity Proをご利用いただいている多くの方々にとり、その上位ライセンスである「Unity Enterprise」の存在は、あまり広く知られていないことかもしれません。Unity EnterpriseはUnity Proでできることはそのままに、ゲーム開発のさらなる効率化を図れる製品・サービス・サポートが付与された最上級のライセンスとなります。
価格は、Unity Proが1シート年間243,600円(税抜)であるのに対し、Unity Enterpriseは1シート年間360,000円(税抜)にてご提供をさせていただいております。
Unity Enterpriseへアップグレードするメリット
Unity Enterpriseにはさまざまな特典が用意されています。
- 長期サポート(LTS)が2年間から3年間に延長
- ソースコード(読み取り専用)のアクセス権を無償付与
- 契約シート数に応じたサポートサービス提供
- Unity Build Serverライセンスを無償付与(20シート以上のご契約)
- 英語によるオンデマンドコースウェアの無償提供(20シートごとに3シート)
- フローティングライセンスも利用可能に
- もちろん、Unity Proのメリットもそのまま
それでは、詳しく見てみましょう。
長期サポート(LTS)が2年間から3年間に延長
Unity Enterpriseでは、Unity 2021 LTS以降のバージョンについて長期サポートを1年延長(2年間から3 年間)します。
長期サポートの延長は、Unity Enterpriseだけに付与される特典です。サポート期間の延長によって生まれるメリットとしては、ゲームなどのUnityエディターのバージョンアップに余裕が生まれることが大きな特徴として挙げられます。もちろん、計画的に且つスムーズにバージョンアップができれば良いですが、大きなプロジェクトの場合にはどうしてもバージョンアップできるかの検証にも時間を要することがほとんどです。そのために必要となる「時間的余裕」をライセンスのアップグレードにより確保できます。加えて、Unity エディターのバージョンアップ頻度を減らすことにより、ゲームの長期間運用で発生するコストを減らすことも期待できるでしょう。
ソースコード(読み取り専用)のアクセス権を無償付与
Unityゲームエンジン(ランタイム)とUnityエディターのソースコードにアクセスできるようになることで、Unityのプラットフォームについて理解を深め、開発しているゲームのコードレベルで何が起きているかを理解することができます。
Unity Enterpriseではソースコードの読み取り専用のアクセス権を無償で付与いたします。
契約シート数に応じたサポートサービス提供
Unity Enterpriseは、契約シート数に応じて以下のサポートサービスが提供されます。
- 1~19シートご契約のアカウントについて、Unityエンジニアからの問題解決の支援を受けられるテクニカルサポートパッケージ、Starter Successが提供されます。
- 20シート以上ご契約のアカウントについて、Unityのパートナーリレーションマネージャーがアサインされます。パートナーリレーションマネージャーは、ライセンスに関わる典型的なお客様からのサービスリクエストから、皆さんからのご質問を解決するために内容領域専門家を確保することまで、あらゆることに関して支援を行います。また、パートナーリレーションマネージャーはUnity社員ならではの最新の知識とベストプラクティスを共有してプロジェクトの推進に協力をする、トレーニングのコーディネートを行う、綿密かつプロアクティブなコミュニケーションを取り経営陣を支援するといった役割も果たします。
- 100シート以上ご契約のアカウントに対しては、追加費用なしでバグのハンドリングとLTSバックポーティングのサービスが提供されます。皆さんから提出されたバグをUnityのエンジニアに割り当て、皆さんに代わりその解決に取り組むことで、目の前に立ちはだかる問題を迅速に乗り越えるサポートを提供します。必要に応じてUnityが、皆さんが現在使用しているUnity LTSのバージョンにその修正をバックポートします。
Unity Build Serverライセンスを無償付与(20シート以上のご契約)
Unity Builde Serverは、Unityプロジェクトのビルドを組織内のネットワークにあるビルドサーバにオフロードできるUnityのフローティングライセンスです。開発者・アーティストのマシンを占有することが無くなるので、イテレーションを高速化し、プロジェクト完成までの時間を短縮できる、費用効果の高いソリューションです。
これもUnity Proではアドオン(1シート年間81,600円・税別)ですが、Unity Enterpriseでは20シート以上ご契約から無償でライセンスが付与されます。付与されるライセンス数はセールス担当にお問い合わせください。
【参考情報】https://unity.com/ja/products/unity-build-server
英語によるオンデマンドコースウェアの無償提供(20シートごとに3シート)
1シート年間72,000円(税別)の英語によるオンデマンドコースウェアが、Unity Enterpriseには無償で提供されます。
このオンデマンドコースウェアは、Unityの専門家が指導するプロフェッショナルトレーニングコースで、数百時間のオンデマンドトレーニングコンテンツで構成されています。活用の仕方次第で、独自の教育コースウェアを用意せずに社員教育を実施することができるでしょう。
【参考情報】https://unity.com/ja/products/on-demand-training
フローティングライセンスも利用可能に
Unity Enterpriseにはフローティングライセンス版(1シート年間540,000円・税抜)も用意されています。組織内でライセンスサーバを設置した上で、同時にUnityエディターを起動しているクライアントマシンに対してライセンスを都度付与します。(ライセンスサーバが保有するライセンス数以上のクライアントマシン上で同時にUnityエディターを起動することはできません)
開発フェーズにおいてUnityエディターを起動するスタッフが変わる、あるいはプロトタイピングなどで一時的にUnityエディターを利用したいという現場のニーズに対し、フローティングライセンスを活用することで購入ライセンス数を抑えつつ、更にUnity Enterpriseにより提供される他の多くのメリットを活用することで、開発効率のアップ、コスト効率のアップといったROIの最適化が図れるようになります。組織内で適切にライセンス管理をおこなうことが可能であれば、Unity Proではなく、Unity Enterpriseを選択した方が良いといったケースも出てきます。
もちろん、Unity Proのメリットもそのまま
前述のように、Unity EnterpriseはUnity Proでできることはそのままです。
たとえば、2022年12月にUnity 2022.2がリリースされたことで利用できるようになったHavok Physics for UnityもUnity Enterpriseでご利用いただけます。
追加投資と開発費用・時間の効率で検討
このようにUnity ProからUnity Enterpriseへアップグレードすることには様々なメリットがあります。
アップグレードする追加投資が皆さんのプロジェクトに見合うものか? それは、追加投資をおこなうことにより得られる開発費用の削減メリットや時間効率の改善がどこまで進むかなど、様々な視点からの検討が必要となること思います。長期サポート(LTS)延長によるUnityエディターのバージョンアップ検証の効率化がどれくらい見込めるか、ソースコードへのアクセスで問題解決の短縮が見込めるか、Unity Build Server設置によるイテレーション効果がどれくらい期待できるかなど、今回お伝えしたUnity Enterpriseへアップグレードするメリットポイントを一つずつ検証し、アップグレード検討に役立てることをお勧めします。また、Unity Proご契約期間中でもアップグレードが可能なので、ライセンス更新時期を問わずご検討ください。
もちろん、その検討をUnityのセールス担当と一緒に進めることにより、検討にかかる時間短縮も可能となりますので、必要であれば弊社セールス担当までご連絡ください。
最後に、Unityの製品はUnityのコアエンジン(ランタイム&エディター)だけではありません。バージョン管理システムのUnity Version Control(旧 Plastic SCM)やプロシージャル型植生ツールのSpeedTreeのほか、Unity公認ソリューションパートナーが提供するクラッシュレポートツールのBacktrace、リモートデスクトップソリューションのParsec、プロジェクトのワークフロー最適化スイートのOdin Enterpriseも取り扱っております。また、Unity Gaming Servicesにはオンラインゲームのためにサーバホスティングオーケストレーションを実現するGame Server Hosting(旧 Multiplay)やボイスチャット実装を実現するVivoxが含まれています。
そのどれもが、開発の効率化の一助になるはずです。皆さんのプロジェクトが抱える課題を分析し、皆さんに最適なライセンスや製品の組み合わせをご提案します。ぜひ一度、Unityのセールス担当へお問い合わせください。